心的外傷後ストレス障害(PTSD)とは?

心的外傷後ストレス障害(PTSD)の主な症状治療法

 

●どんな病気か

阪神・淡路大震災の後、心的外傷後ストレス障害(PTSD)という言葉がよく知られるようになりました。これは、大きなショックの直後ではなく、約1か月くらいたって、災害などの直接的危険が去った後に生じるものをいいます。

PTSDをひきおこすのは、生命に危険が及ぶほどの大きな事故、災害、戦争、拷問などで、自分自身がこのような体験をするだけでなく、他人がこのような目にあうのを目撃することでも発症します。

 

 

●症状について

おもに3つの種類があります。

(1)侵入的想起、あるいは再体験という症状で、心的外傷を受けた時の情景を、あたかももう一度その場に戻ったかのようにありありと体験したり(フラッシュバック)、突然その情景が繰り返し頭の中に浮かんだりするという症状です。

 

(2)回避、感情まひと呼ばれる症状で、フラッシュバックをひきおこしそうな場所には行けなくなったり、外傷を受ける前と後では自分がちがってしまって、人には自分の気持ちが通じない、自分は他の人とはちがってふつうの生活は今後もできないと思ってしまう症状です。

 

(3)悪夢や、ちょっとした刺激に大きな反応がおこってしまう。「驚愕反応(きょうがくはんのう)」など覚醒亢進状態になる症状です。

 

これらの症状があると、閉じこもりがちの生活となり、社会生活に多きな支障をきたします。いやな症状から逃れるため、アルコールを大量に飲むようになることもあります。

 

 

●治療について

まず、正しく診断がついていることが何よりも大切です。大震災など人々の注目を集めるものとはちがって、個人的な自動車事故などでは、本人が黙っていると、症状が見過ごされる場合もあります。いやなことを話すのは回避したいという症状のため、医者の前でも心的外傷のことを話さない人も多いのです。

診断がきちんとついたら、食事、睡眠など安心できる環境を提供することがまず大事です。睡眠障害などには、薬物療法も有効です。

いやな体験を忘れようとすればするほど、その体験がフラッシュバックとなってよみがえる場合は、精神療法(心理療法)、認知療法などを用います。いやな体験について、つらくても思いだし、語り直す必要があることも多いものです。

 

症状が消失するには時間がかかることもありますが、家族はあせらず見守る態度が必要です。「もう忘れなさい」と叱責(しっせき)したり、励ましすぎると、孤立感を強めてしまうことが多いのです。
消防隊、救急隊員など、大参事の現場ではたらく職種の人は、心的外傷後ストレス障害になる率が高いため、毎日の仕事の後に、グループミーティングをして気持ちを整理することが予防になるという報告もあります。


心的外傷後ストレス障害(PTSD)に有効な心理療法 →NLPとは?

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