心理療法・催眠療法とは?カウンセリングとは?

心理療法とは?

心理学を元に考案された療法です

心理療法とは、薬や、熱や光といった物理的なエネルギーを使うのではなく、対話やトレーニングなどを通して心の状態を改善するための療法で、心理学を元に考案されています。

心理学においては「心理療法」、医学(心療内科・精神科)においては「精神療法」と呼ばれていますが、両者の目指すものは事実上同じものです。

このような呼称の違いは、明治期以降に西洋学問を輸入した際「psyche」という外国語に「心理」と「精神」という2通りの訳語が当てられ、それが心理学界と医学界に別々に定着したことに由来しているといいます。

 

主な心理療法として、精神分析、行動療法、来談者中心療法の3つが、心理学史における心理療法の主要な源流とされています。現代では、この3大流派から派生した療法、またはそれ以外のルーツをもつ療法等、様々な理論・技法が存在しています。

その種類はさまざまで、カウンセリングも心理療法の一種ですし、そのほか、催眠療法、認知行動療法、解決志向ブリーフセラピー、フォーカシング、NLP(神経言語プログラミング)、ゲシュタルト療法、箱庭療法、音楽療法など100以上の療法があると言われています。

 

催眠療法とは?

TVなどでよくみる催眠術とは違います

心のストレッチルームでは、催眠療法を取り入れたセラピーをおこなっています。

*セラピーとは?
治療・治癒という意味。心理療法とほぼ同じ意味合いで使われ、心理セラピーとも呼ばれる。

ですが、「催眠療法って何?」という相談者さんがほとんどです。また、催眠療法を初めて受けられる方は、「催眠術にかけられて・・・」というご不安を抱えてらっしゃる方も多いようです。

 

まず初めに知っておいていただきたいのは、TVでよくみる催眠術とは違います。

催眠といえば、催眠術を連想される方が多いと思います。テレビなどでよく紹介されるような音楽がかかると自分でそうしたいわけでもないのに指揮者のマネをしたり、暗示によって手が曲がらなくなるといったようなものだと勘違いさる方も多いかもしれません。

自分の意志にかかわらず他人に操られるということに恐れを抱く方も多いと思いますが、それは違います。

 

催眠にかかっても眠ってしまっているわけではなく、意識もはっきりしていて、自分の言っていること、やっていることを、ハッキリと分かっています。ですから、自分が言いたくないようなことを無理やり言わされてしまったり、やりたくないことを無理やりやらされてしまうこともありません。

また、催眠は魔法ではありません。催眠は、「その人の能力」を引き出すことで、その人の望みを叶えるものです。やりたくないことを無理やり我慢してやるようにする、忘れたくないことを忘れるようにする、真に欲していることをあきらめる、など偽りの望みを叶えることではありません。

 

催眠で体験するものは、自分の深い意識からのメッセージです。深い意識は自分のことを愛し、守っているのです。それを意識の表層まで浮かび上がらせるためのテクニックが催眠なのです。催眠は、私たちを癒したり、本来の自分を探究するための方法のひとつにすぎません。しかし、幅広く他のセラピーとも結びつきやすく、非常に有効なテクニックなのです。 

 

実は、催眠は特別な状態ではなく、私たちは日常生活の中でも催眠状態を体験しています。

たとえば、「お風呂に入ってリラックスしているときに突然いいアイデアがひらめく」「何かに夢中になっていると時間が経つのを忘れる」「恋人の顔がキラキラ輝いて見える」「子どもが母親に『痛いの痛いのとんでけぇ』と言われると痛みが消える」「映画の主人公に感情移入して泣いてしまう」などがそれです。

何かに意識が集中している状態、リラックスしている状態の時に私たちは自然と催眠状態に入っています。催眠は、TVなどでよく見る催眠術師の支持通りに行動してしまうことが、催眠状態ではありませんので、ご安心くださいね。

 

カウンセリングとは?

心理療法の中の1つの手法で、対話による療法です

カウンセリングとは、対話による療法です。

カウンセラーとクライエントが1対1で行うものもあれば、グループで行うものもあります。いずれにしろ、おもに言葉を使い、話し合いによってクライエントの問題や悩みを解決していきます。

ただし、「対話」とはいっても、そのメインは「聞く」ことです。日本で一般的に行われているカウンセリングのほとんどは、傾聴(相手の話を積極的に聴くこと)と共感を重視します。カウンセラーは少し質問をしたり、相づちをうつくらいで、ほとんど言葉を発しません。

 

このカウンセリングの技法は、1940年代に、アメリカの心理学者カール・ランサム・ロジャーズが提唱した「来談者(クライエント)中心療法」が元になっています。

この療法では、「人間は誰でも潜在的に、自己成長・自己実現を達成する力を持っている」ものとし、心理的な療法を行う者はあくまでも脇役として、積極的なアドバイスや指示はせず、「聞き役」に徹することが大切だとしています。

このロジャーズの考えは、現在も、カウンセラーが示すべき態度・姿勢の基本とされています。こう説明すると、当然、「話を聞いてもらうだけなのに、効果があるのはなぜ?」と不思議に思う方もいらっしゃるでしょう。

けれども、みなさんにもこんな経験はありませんか?

「仕事のことや人間関係のことでもんもんと悩んでいたけれど、家族に話を打ち明けたらすっきりした」「仕事で失敗して落ち込んでいたけれど、友達に愚痴をきいてもらったら、元気が出てきた」きっと、思い当たることがあるはずです。

 

人は、心のうちにある感情や思いを言葉にして吐き出すことで、気持ちが楽になったり、癒やされたりします。これを心理学用語で「カタルシス効果」または「自浄作用」と言います。カウンセリングにも、このカタルシス効果が期待できるのです。

加えて、カウンセリングの場は、クライエントの心の内を話すためだけに用意された特別な空間・時間です。普段の生活では、なかなか自分の話だけをする時間はないでしょうし、聞き手はあなたの言動をすべて受け入れてくれるわけではありません。「あなたが間違っているんじゃない?」「自分はそうは思わない」などと、否定されることもあるでしょう。

 

一方、カウンセリングの場合、時間の許す限り、あなたが話したいことだけを話せばいいですし、カウンセラーはそれをすべて受け入れ、肯定し、共感してくれます。

これは日常にはない、非日常の空間と言えます。だからこそ、「人には言えない悩み」や「漠然としたつらさ」を思う存分吐き出すことができます。誰にも言えないと心にしまっていたことを聞いてもらえるので、より大きなカタルシス効果が得られるのです。

また、カウンセリングを繰り返すなかで、自分の心の中の問題を言語化していくと、心の中が徐々に整理されていきます。客観的に自分を見られるようになっていくのです。

その結果、クライエントは今まで見えていなかった本当の気持ちや問題の原因に気づいていきます。最終的には、これからどうすればよいか、解決策を見つけていくこともできます。

 

心理療法とカウンセリングの違いとは?

心理療法という大きな枠組みの中に、カウンセリングがあります

ユング心理学を日本に広めた第一人者「河合隼雄さん」の書籍の中から心理療法と、カウンセリングの違いがよくわかる文章がありましたので、ご紹介させていただきます。

 

(引用ここから)

ところで、じゃあ一体、心理療法とは何かということです。これを定義するのはなかなか難しい。しかもカウンセリングという言葉もある。心理療法とカウンセリング、これどう違うんだ?ということです。

心理療法というのは、「心の問題」つまり、悩みとか苦しみとか、それから本人はそうと思っていないけれども、体が動かない、目が見えないというのに心が関係しているというような場合。心理療法家が心理学の知識でもって、それを援助することによって、問題が解決していく。というのが心理療法。

特にカウンセリングといっているのは、この中で言語的な話し合いによる。というのは、言語的な話し合いだけでなくて、絵を描く、ダンスをする、歌を歌う、私のように(河合隼雄)箱庭を作らせるのもある。

いろいろありますから、心理療法というのは非常に広いわけです。非常に広いなかで、カウンセリングといったら、特に言語的な話し合いによるものだといっていいと思います。

人によっては、心理療法というのは病的に重い人で、カウンセリングは軽い人にやっているという人がいますが、そんな簡単にはいかないと思います。重い人でも、話し合いということはします。

(引用ここまで)

『心理療法個人授業』 著:河合隼雄・南伸坊(新潮社)より引用

 

つまり、心理療法というおおきな枠組みの中に、カウンセリングが存在しているというわけですね。なんとなく、心理療法と、カウンセリングの違いをご理解いただけたのではないでしょうか。

 

カウンセラーとコンサルタントの違い、コーチングとは?

それぞれに多少の違いはあります

コンサルタント

主に企業に対してコンサルティングする人のことをいいます。

コンサルティングとは、専門知識を持って客観的に問題点を指摘し、原因を探り解決策を示す業務を目的とします。つまり、いま抱えている問題に対して最善の答えを教えてあげるのが、コンサルタントの役目です。

カウンセラー

心理療法や心理カウンセリングのテクニックを使い、癒しまたは治療することがカウンセリングの目的です。

その目的をサポートするのがカウンセラーの役目です。コンサルタントと違うのは、解決策を押し付けないということです。つまり、海を目の前に、お腹ペコペコの人に魚をとってあげるのがコンサルタント。魚を釣る方法を教えてあげるのがカウンセラーなのです。

コーチ

カウンセリングとコーチングの間に手法の違いはそれほど大きくありません。

しかし、カウンセリングは癒しまたは治療が目的であり、クライアントの目標達成を手助けするコーチングとは性質が異なる部分があります。つまり、コーチングを受ける側(クライアント)に、自ら考えて問題を解決する力をつけさせるのが、コーチングの目的です。

 

心理療法のいいところは?

私たちが幸せに生活できる素晴らしいテクニックです

心理療法のいいところは、日常生活の中で活用できることです。また、自己探求や問題解決に有効な手段であることです。ちょっした悩みや不安は、大小ありますが誰でも持っているものです。

ところが、心が疲れてしまい病んでしまう人がいれば、元気ハツラツに生活している人もいます。

では、両者の違いは何でしょうか?私はこう考えています。「悩みや不安に対する対処法を知っているかどうか」心理療法は、悩みや不安の対処法を教えてくれ、私たちが幸せに生活できる素晴らしいテクニックなのです。

心理療法・カウンセリングの本当の目的は?

ある程度の問題であれば、自分の力で何とか出来るようになることです

心理療法や心理カウンセリングの目的を簡単にお伝えするのであれば、「自立」です。

もう少し詳しく言うのであれば、「クライエントさんが自分の力で幸せに生きられるようになること」です。心理カウンセリングや心理療法を受けている間だけ安心できるのでは、不十分だと、当ルームでは考えています。

カウンセリング終了後も自分自身に降り掛かった「問題・悩み」を自分の力でなんとかできる。(1回のセラピーで回復するのはまれです)「問題・悩み」が自分自身に襲い掛かったとしても、なんとかできるようになれば、心理療法・心理カウンセリングの目的を果たしたといえるでしょう。

ストレスも同じですね。例えば、ストレスがたまったとき、あなたならどうしますか?

・お酒を飲んで発散しますか?

・友人に話しを聞いてもらいますか?

・スポーツで汗を流してスッキリしますか?

 

ストレスというと病原菌のように悪者あつかいされますが、人は多少のストレスがないと生きていけないという研究もあるようです。ストレスを解消できるかできないかは、ストレスの解消法を知っているかどうかで決まります。

つまり、不安や悩みのある状態が問題なのではなく、不安や悩みの対処法(解決方法)を知らないことが問題なのです。心理カウンセリングや心理療法は、それらの対処法を教えてくれる有効な手段でもあるのです。

 

当ルームのカウンセラーの役目は?

問題を乗り越えられるようにサポートすることです

当ルームのカウンセラーの役割は、クライエントさんが自分自身の力で幸せになれるよう、サポートすることです。

この「自分自身の力で」というのは、「一人だけで何でも」というのではありません。時には、人の助けを借りる場面もあるでしょう。時には、苦しい状況を大勢で乗越えるような場面もあるでしょう。

言い換えると、「自分の人生に降りかかったどんな問題も乗越えられる力」を持てるようにサポートすることが、カウンセラーの役目だと考えています。私は、そのような方針でカウンセリングをおこなっています。

 

心理療法でどんなことができるの?

お一人お一人に合わせた心理療法を施すことができます

心理療法でまずおこなうことは、心を癒すことです。今、とても苦しいという方は、その苦しみを解放する必要があります。

<心理療法の一例>

●来談者中心療法(心の浄化)
●NLP(辛かった過去の書き換え)
●フォーカシング(正しい感情のコントロール方法)
●パーミション(強い思込みの修正)
●伝え方訓練(苦手な相手に言いにくい自分の気持ちをうまく伝えるテクニック)
●全体から見る視点を鍛えるワーク(依存症の改善)
●サクセスストーリー(自信と願望実現)

その他にも、前田が使える心理療法は30種類以上ありますので、クライエントさんお一人お一人の悩み・問題・症状に合わせた療法をおこなうことができます。

心理療法を受ける前に知っていたほうがいいことは?

よく調べて、納得してからお受けください

心理療法といっても魔法ではありません。受身ではなく、「自分自身で小さな行動を起こすこと」でよくなっていくということをご承知ください。

また、心理療法はとても高額です。

私が調べたところによると、相場が1万円~1万5千円(60分~90分/1回)

有名な心理療法家の先生になると、2万5千円~3万円(60分~90分/1回)

ですので、よくホームページをご覧になってから心理療法を受けられることをおすすめします。基本コンセプトや、プロフィールなどもご覧いただければと思います。

 

心理療法が人間関係の改善にどう有効なのですか?

相手に対する捉え方を修正することで、変化を促します

私達が傷ついたり、腹を立てたり、悩んだりする、その本当の理由は、相手(他人)や状況にあるのではなく、私達自身の「受けとめ方・考え方」にあります。

そして、私達の「受けとめ方・考え方」を決めているものを「ビリーフ」といいます。ビリーフとは、「べき」や「ねばならない」という言葉を含むその人の「思い込み・信じ込み」のことをいいます。

 

人生では思い通りにならないことが多いのですが、それを「~であるべき」で解釈しようとすると、どうでしょうか?あってはならないことにパニックになったり腹を立てたりする結果になってしまいます。

また、ビリーフについて知っておきたいことは、「ビリーフは、無意識に信じ込んでいることですから、自分では自覚できないことが多い」ということです。つまり、私たちは、自分が何を信じ込んでいるのかをわかっていないということです。このわかっていないものを探り、修正していく方法が心理療法の中にはあるのです。

私達の見ている世界は、私達それぞれのフィルターを通して見ているわけですね。ある人は、世界を明るく見ているかもしれませんし、ある人は、世界を暗く見ているかもしれません。

ということは、このフィルターを調整すれば、「受けとめ方・考え方」も変わり、人間関係の改善につながるのでは、と考えられます。

 

知っておいていただきたいのは、心理療法で相手(他人)の心をコントロールしたり、変えたりはできないということです。もし、それをしている人がいるとしたら、それは洗脳やマインドコントールになってしまいます。

『他人と過去の出来事は変えられないけど、自分と未来は変えられる』というのが原則です。

心理療法ですべての悩みを解決できるの?

お役に立てない場合もございます

現在、精神科・心療内科に通院中の方で、重度のうつ病、双極性障害、統合失調症などの診断をされており、医師の判断で入院が必要な方や話をすることが困難な方は、お役に立てない場合もあります。ご了承ください。

また、心理療法は魔法ではありません。心理療法は受身ではなく、自分自身で小さな行動を起こすことでよくなっていくということをご承知ください。

 

悩みの原因は探らないのですか?

全く探らないわけでもありませんが、目的・目標に焦点を当てたほうが解決は早くなります

心の問題はさまざまな要素からなっています。ひとつの要素だけが原因で「今の状態」を引き起こしていることはまれです。そのいくつもある原因の1つ1つを探っていくのは、膨大な時間と経済的な負担を伴うでしょう。

確かに、1つの原因から問題が波及しているという場合もあります。その原因を知ることで、安心感を得る場合もあります。しかし、トラウマになるような辛い過去を探っていくことで、とても苦しいカウンセリングになるケースが多いのです。しかも、原因が分かるまでかなりの時間を要するので、その苦しみが長く続くことさえありえます。

また、原因ではなく、目的・目標に焦点をあてる方法は、アドラー心理学の考え方が分かりやすいので、「勇気の心理学 アルフレッド・アドラーが1時間でわかる本」(学研プラス)からご紹介させていただきます。

 

<以下、アドラー心理学の考えです。引用ここから>

原因論とは、世の中のあらゆる出来事を原因で説明する態度です。この立場では「Aが起こった原因はBにある」のように、何らかの現象が生じた原因を人や物ごとに結びつけます。

これに対して、人がとる行動はその人が持つ目的や目標に従った結果だと考える立場があります。原因論とは考え方に大きな隔たりがあるこのような立場を、「目的論」と呼びます。アドラー心理学では、原因論ではなく目的論の立場から、人間の行動や心理をとらえる点が大きな特徴になっています。

アドラーはこう言います。「もし、この世の中で何かを作るときに必要な、建材、権限、設備、そして人手があったとしても、目的、すなわち心に目標がないならば、それらに価値はないと思っています」

極めて自明のことながら、確かにアドラーがいうように「このようなものを作ろう」という目標がなければ、手元に素材があっても何の役にも立ちません。仮にその素材がとても素晴らしいものであったとしてもです。

アドラー心理学では、同様の考え方を人の生き方や性格にも適用し、人が生まれつきもっている素質よりも、それをいかなる目的に従って、どう使うかに注目します。

「上手にできないのは素質のせいだ」このように考える立場が原因論です。これに対して、「上手にできないのは誤った目標のせいではないか」「素質の使い方を間違っているのではないか」と考えるのが、目的論を基礎にしたアドラー心理学です。

<引用ここままで>

「勇気の心理学 アルフレッド・アドラーが1時間でわかる本」著:中野明(学研プラス)より引用

 

私のカウンセリングでは、基本的には「目的論」を取り入れていますが、そうはいっても原因を知りたい!というご相談者さんもいらっしゃると思います。
そのような方には、原因を探る心理療法をおこないますので、おっしゃってくださいね。

原因論にしても、目的論にしても、カウンセリングの中で発見・気づきを促すことが私のカウンセリングの目的のひとつでもありますので。

 

心理療法で過去を書き換えるというと、少し怖く感じます

記憶を消すわけではありませんので、ご安心を

 過去を書き換えるといっても、記憶を消すわけではありませんのでご安心ください。

タイムマシーンでもあれば記憶を消すことは可能かもしれませんが、SFやドラえもんの世界ですよね。過去の出来事に対する「捉え方」「考え方」を変えていくという意味での「過去の書き換え」です。

 

ではなぜ、過去を書き換える必要があるのでしょうか?

仏教の教えに「因果倶時(いんがぐじ)」という言葉があります。「現在の自分は過去の積み重ねの中にあり、将来の自分がどのようになるかと考えるのなら、1日1日の積み重ねの中に将来の自分がある」という考え方です。

僕はこの考え方を、ドトールコーヒーの創業者「鳥羽博道さん」の自叙伝の中で知りました。創業当初、会社経営がうまくいかなかったときがあったそうですが、そんなときに鳥羽さんは、「潰れる、潰れると思うから心が委縮して思い切った仕事ができない。明日潰れてもいいと思えば、何でもないじゃないか。今日1日体の続く限り全力で働こう!」と自分で自分を励ましていたそうです。

つまり、「上手くいかなかった過去を否定して、1日1日を大事に積み重ねていけば未来は開ける」という考えでもありますね。あれだけすごい人でも、そんな時期があったのかと思うと、僕も勇気をもらいました。

 

この「因果倶時(いんがぐじ)」の考え方を心理療法に活かせないだろうかと考え、編み出したのが、過去の書き換えです。

人は、「過去→現在→未来」という順番で生きています。過去の延長線上で今があり、それは、過去に囚われて今があるとも言い換えられます。つまり、過去につらかった記憶がたくさんあり過ぎると、過去に囚われて今があるので、現在もつらいと感じてしまいます。

しかし、人がつらいと感じ続けるのは、今がつらいわけではなく、未来もつらい ”かも” しれないという予感を感じてしまうためです。

ということは、過去の「つらい」感覚を弱めることができれば、今の「つらい」感覚も軽減されて、未来のつらい ”かも” しれないという予感を弱めることができるのではないだろうか?と僕は考えました。

 

そして、心理療法の1つであるNLP(神経言語プログラミング)の一部の手法と、「因果倶時(いんがぐじ)」を融合させて、過去の書き換えを完成させました。

文章だけではなかなか伝わりずらい部分もありますので、体験していただけたら幸いです。

繰り返しになりますが、過去を書き換えるといっても、記憶を消すわけではありませんのでご安心ください。

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